講座やブログの中で、何度か紹介させていただいたこの研究書ですが、
大郷町東光寺九世の故佐藤宗岳和尚様は、支倉常長の研究ではおそらく第一人者で、
地元の古老の口伝や、支倉氏家臣の子孫の蔵に眠る古文書を徹底的に調べあげた結果を
この一冊にまとめられた。
初版は昭和30年代初頭で、下画像は50有余年の年月を経て町の教育委員会により再版されたのである。
この中には、史実をくつがえす内容が書かれてあり、信憑性に満ちた説得力とともに
宗岳師長年の、ぶれない研究姿勢と郷土愛がにじみ出ている。
最初にこの本に出会ったのは、数年前大郷を調査中にたまたま立ち寄った東光寺で、
現ご住職から全ページコピーしていただいたものだった。
その約1年後に、製本されたもの(上画像)が道の駅大郷で売っていたのを偶然見つけて小躍りした。
ここでしか買えないという希少価値故、もう数冊買っておこうと、来年のバスツアー新企画の下見の際道の駅へ寄ったら、
すでに売り切れで、再版も無いという。ショックだった。
このようにして、一個人が発行する研究書はスポットライトを浴びることなく消えていく。
たまたま手にした者だけが、歴史の真実を覗き見ることができるのかもしれない。
私が仙台藩の歴史研究に入るときのバイブルは、故土生慶子氏の「いろは姫」だった。
この本もすでに絶版、手に入らない。
私が持っているのはやはり、宮城県図書館の資料室でひたすらコピーしたものだ。
この本には、五郎八姫に隠し子がいたことが書かれてある。
伊達家の中でも限られた重鎮しか見ることのできなかったという、極秘文献が存在するという。
土生先生がそれを発見し読み解き、自身の本に書かれ、その本に出会ったからこそ知ることができた。
いなべの晴明が平成11年に自費出版したこの研究書も、今はまだ青葉神社の社務所で買えるが、
近いうちまた『なんとなく聞いたことがある都市伝説』になっていくだろう。
そうなる前に、私が引き継いだ。
いなべの晴明の研究書をベースに、その後の調査成果をまとめて今年の6月16日に発行。
最古の仙台城下絵図など貴重な史料を掲載、また後半部分には、限りなく史実に基づいた小説
「THE MASAMUNE CODE」を載せました。
一般市場には出回りませんが、現在委託でお願いしているところは
・金港堂本店・立町郵便局並び高喜書房・ホテルレオパレス仙台1Fロビー
以上です。
ネット通販はこちらへinfo@hexagram.jp
現時点での在庫約500部 再発行予定なし。
この研究も、(証拠文献が存在しないため)学術的な場で語られることは無いでしょう。
後継者もいません。
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