仙台七夕。東北の夏祭りとされ、全国的にも有名。
この七夕祭りは、雨がつきもの。
なぜ、雨になるのか?
それには或る悲しい伝説がある。
宇和島伊達家のお家騒動である和霊騒動。
宇和島伊達家の初代伊達秀宗公の命令で、宇和島伊達家の家老である山家清兵衛、やんべせいべいが殺害された事件。
山家清兵衛は、伊達政宗公の母 保春院さまのお付きで、最上家より伊達家に来た山家家の一族。
伊達秀宗公が宇和島に移って家老となり、宇和島の発展に尽くすが秀宗公と意見が対立、孤立して殺害された。
このとき、七夕の夜で蚊除けの蚊帳を張り、寝ていた清兵衛一家を武士たちが襲い、おさな子を井戸に投げ込み、殺害している。
このことは、仙台に伝わり、政宗公は激怒して秀宗公を三年も勘当して、縁を切る。
宇和島では、山家清兵衛一家を殺害した武士たちが変死を遂げ、秀宗公も脳梗塞で半身不随となり、正室 (井伊直政の息女)との間の男子が、ふたりとも若死にする。
ひとは、山家清兵衛のたたりと話して、怖れた。
山家清兵衛一家を祀る社が宇和島にできて、秀宗公も厚く保護している。これが和霊神社の起こりとされる。
和霊神社は、四国に広がり、幕末に坂本龍馬が氏神である土佐の和霊神社に祈願して土佐を脱藩している。
山家清兵衛の子が仙台に残っていて、明治になり屋敷を解放して商店街ができる。これが仙台一番町商店街のはじまり。今も屋敷跡のビルの屋上に仙台和霊神社が残る。
七夕の夜に殺害された山家清兵衛一家が仙台を恋しがり、仙台七夕になると涙雨を降らせているという伝説がいつしか生まれた。
七夕の夜には蚊帳も釣らないという風習も仙台、宇和島にはあったらしい。
史実とは異なるが、いつしか仙台でいわれた和霊神社の伝説です。
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